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2008年6月

2008年6月17日

お前が言うな!

 今日は一日自宅で仕事。資料を読んで小学館クリエイティブのムックの構成を作る。

 で、夕食を食べながらNHKのニュースを見ていたら、タクシーの運転手が乗客から理不尽な暴言を吐かれたり暴力を受けたりしているという特集をやっていた。
 そして、その様子をタクシーの車載カメラが記録していた様子を流した後に、スタジオの女性アナウンサーが言った言葉が「いくら何でもこんなひどい乗客がいるなんて信じられませんね」だった。
 しかしね、かつてNHKにもいたんですよ、そんな信じられない乗客が。以下、Wikipediaの松平定知の項より引用。
「・朝のニュース「NHKモーニングワイド」のキャスターを担当しNHKの朝の顔として活躍していたが、泥酔してタクシーの運転手を殴り降板させられた。その事件について、やしきたかじんは自身の番組で、「その時歴史が動いた!」と言及した。その後、テレビニュースキャスターとしては1995年4月の「NHKニュース11」で復帰。」
 この時(1991年)、松平は「俺を誰だと思ってるんだ。俺はNHKの松平だっ!!」と言ってのけたとか。一説によると「この雲助野郎!」とも言ったとか。ほえほえほえ~(脱力)。
 ま、若い女性だから当時のことは知らなかったんだろうけど、誰か教えてやれよと。だけどもし知ってたら、ものすっごい歯切れの悪いコメントになったりして(笑)。

 それと、この大昔の事件について、ほんの少し松平を擁護すると、タクシー運転手の方にもどうしようもない人間と言うのは少なからずいるのは経験上ぼくも知っているので、もしかしたら松平もよっぽど腹に据えかねることがあったのではないかという推測もできる。

 あと、タクシーの乗客の暴力なんて昔からある事例なのに、この時期になんでこんな今さら特集っぽく組まれるのだ、というのも気になった。以下はぼくの邪推だが、最近、霞ヶ関の省庁で居酒屋タクシーとかキックバックとかの問題でタクシーが悪者になっているからそこから目をそらさなければ、という力がどこからか働いたとか……。いや、これはね、NHKが例えば政治家やタクシー業界から圧力をかけられたと言っているわけではない。
 こういう場合はね、もっとソフトにアプローチしてくるんですよ。「実はこういうニュースソースがあるんですが使いませんか」という感じにね。で、こっちが周りの状況が見えていないと、それに食いついてしまうわけです。やー、過去にはぼくも「しまった、テキの策略に踊らされてた!」と、後から深く反省したこともありました。しかし最近のテレビの報道はそんなのが多い気がするなぁ。どっかの番組がひとつの流れを作ると、他局の番組も次々とそっちの方向へ無批判に流れていってしまうという。

 と、そういう面も含めてこの今日のNHKニュースを見ると、また違った風景も見えてくるわけで、今の時代、メディア・リテラシーは重要ですね。ぼくももっと街へ出て社会勉強しなくちゃ(笑)。

投稿者 黒沢哲哉 : 02:19 | コメント (0) | トラックバック

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2008年6月16日

お前らの特徴

 ぼくは普段、家にいて仕事をしていない時は何をしているかというと、映画を見たりネットを巡回したりネットオークションをやったりしてるので、結局、仕事も含めて24時間のうち15~16時間くらいはブラウン管か液晶画面を見続けているのではないかと。
 それで、こないだ何気なく見ていた某巨大掲示板で見かけた書き込みになぜかぼく事が……。
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672 名無しさん@九周年 2008/06/02(月) 01:56:15 ID:l7lk5dVN0
<お前らの特徴>
・部屋が汚い
・しかし片付け始めるとトコトンやる
・公の場では綺麗に使うよう心がける、友人の家も綺麗にする
・熱しやすく冷めやすい
・一度冷めたらどんなに中途半端でもヤ~メタ
・基本的に無気力だが、変な事には異常にこだわりを持つ
・洗濯物はタンスに入れず、出かけるときは無造作に置いてある中からチョイス
・家に帰ると即効で着ていたものを脱ぐ
・夜中に昔の痛い自分を思い出してあああああああああとなる
・人の悩み事は親身に聞くが自分の悩みは話さない
・反故にされた約束事をいつまでも覚えている
・でも物忘れは激しい
・人情話に弱いが実際に人と接する場はあまり好まない
・コンビニでお釣りの渡され方を妙に意識してしまう
・お笑いにはこだわりがある
・寝てたわけじゃないのに「ごめん寝てた」の言い訳を使うことがある
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 うあああ、これって、16項目中14項目くらい当てはまるんだけど、もしかしてうちに隠しカメラが仕掛けられているのか!?

投稿者 黒沢哲哉 : 00:48 | コメント (2) | トラックバック

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2008年6月10日

原稿紛失の話

 このところ、「週刊少年サンデー」で連載されていたマンガ家さんが、編集部に原稿をなくされて、その件で訴訟問題になっているみたいですね。
 ぼくはそのマンガ家さんも担当編集さんも面識がないので、ここで勝手なことは何も言えないのですが、編集部で原稿を紛失してしまうというのは、ぼくが見知っているだけでも過去に何度かあるんですよ。

 ぼくは最近は、それほど多くのマンガ編集部に出入りしているわけではないので、以下は「サンデー」や「小学館」の話ではなく、一般的なマンガ編集部の話でかつ10数年前の話としてお読みいただきたいのですが……、
 ぼくがかつて出入りしていたころのマンガ誌の編集部では、連載作品で人気もあって単行本化が確実な作品は、決まったロッカーに入れてキチッと保管されていましたが、それ以外の、例えば読み切り作品の原稿とか、新人の原稿に関してはかなりルーズでした。
 例えば担当編集が自分の机の近くに封筒にいれて無造作に置いておいたり、個人用のロッカーの中にしまってあったりする場合も多かったと思います。それで、ある程度まとまったら作家さんに返却するという感じでした。
 しかしその編集者が異動で別の編集部に移ることになり、社内で引越しをしたりすると、そこでもう分からなくなるわけです。その時点できちんと各作家さんにあいさつ回りをして原稿も返却するという人ももちろんいますが、人によっては、次の担当編集者に預けて「返しといて」で済ます人もいるわけです。また、誰が確認するわけでもないので、そのまま次の編集部に持っていってしまう人もいたのではないかと思います。
 だったら、印刷所から戻ってきた原稿は、すぐ作家さんに返却するようにルールを決めたらいいのではないかというと、なかなかそうもいかない事情もあるんです。それは、もしかしたら急に単行本になるという話が出るかも知れないし、予告ページなどでカットとして流用する可能性もあったりするからです。で、「とりあえず預かっておく」という状態になるわけですね。
 また、マンガ家さんの側も、1回ごとに返されても管理が面倒なので、まとめて返してもらった方がありがたい、という人もいるし、自分から「返してくれ」と言うのは、何だか編集を信用していないように思われるのではないかと気を使うマンガ家さんもいて、なかなか「すぐに返してくれ」とは言わないし、言いにくいという雰囲気があるのですね。

 それともうひとつの原稿がなくなる要因は、どこかの書店でフェアを開催するときに、マンガ家さんの「原画展」を開くことがあるんですよ。これを仕切るのは営業の部署なので、営業の担当者から編集部に「原稿を貸してほしい」という依頼が来るわけです。それで担当が原稿を出して営業に貸し出すわけですが、そこで返却があいまいになって紛失してしまうことがあるのです。
 ある出版社で、実際にこの原画展終了後に原稿をなくされたマンガ家さんがおりました。
 今回、なくなった原稿というのがカラーページが数ページらしいので、ぼくの推測では、この「原画展」のような貸し出しがあったのではないかと思うのですが、どうでしょうか。

 そして、ぼくの知っている最大の原稿紛失は、あるマンガ家さんがある青年誌に読み切りを数回掲載したのですが、その数回分の原稿をそっくり丸ごとなくされてしまったというものでした。
 そのマンガ家さんは、他の出版社からそのマンガを単行本にして出すことになったのですが、どうしても原稿が見つからず、最終的に、印刷会社に保管してあった製版フィルムから高性能コピーのような技術で複製原画を作ってもらい、それを原稿にして何とか単行本を出したのでした。
 確かにそれで、黙っていたらほとんど分からない程度にきれいに復元されましたが、やはり細部を良く見ると、ペンのヌキの部分のタッチとかはまったく失われていましたし、網掛けの部分がつぶれている部分もあって、非常に残念な感じでした。
 けれども、そのマンガ家さんは温厚な方だったので、賠償金などという話にもならず、この件はこれで終わってしまったようです。いや、実際はお腹の中ではかなり怒っておられたんだと思いますが、その編集者には世話にもなっているという思いもあるし、ゴネてもしょうがないというあきらめの気持ちもあって、大人の対応をしたというのが本当のところかも知れません。

 ところで、ぼく自身は、編集者の立場で原稿をなくしたことはありませんが、拳銃王でライターの小峯隆生氏から大切な写真をお借りしてそのまま返却せず、10年後に返したという経験があります。
 小峯氏とは、さらにその数年後にまた一緒に仕事をする機会を得たのですが、その時は、会う人ごとに「こいつは俺の写真を10年間返さなかったんだ」としばらく言われ続けました(大汗)。

投稿者 黒沢哲哉 : 01:42 | コメント (11) | トラックバック

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2008年6月 8日

生涯に何度見てもいい映画

[ 映画 ]

20080608.jpg これまで何本の映画を見てきたか分からないが、ぼくは自分の大好きな映画をいくつかに分類している。「傑作」「名作」「面白い」「楽しい」などの一般的な感想がまずあって、それをさらに突き詰めていくと「傑作だけど疲れる作品」とか、それと似たので「名作だと思うけど終わりまで見るのはシンドイ作品」「傑作で何度も見たいけど何度も見ると飽きてしまいそうでもったいないのでたまにしか見ないようにしている作品」などなど。
 そうした中で、20本あるかないかというのが、「生涯に何度見てもいい映画」。これはもう文字通り、何度見ても飽きずに新鮮な感覚で楽しめ、見るたびに新しい発見があり、途中から見ても、途中までしか見なくてもワクワクしたりジーンとしたりできる映画。これは本当に数が少なくて20本あるかどうかというところだ。
 例えばそれは、『小さな恋のメロディ』とか、『男と女』とか、『旅の重さ』とか、『となりのトトロ』とか、『フェリーニのアマルコルド』とか、『八月の濡れた砂』とか、『オレンジロード急行』とか、『シベールの日曜日』とか。
 そして、その中でもダントツなのが今関あきよし監督の8mm映画『ORANGING'79』なのだ。
 学生時代、映画が好きで映画を見まくっていた時期に出会った数多くの名作・傑作映画の中でも、『ORANGING'79』は、ぼくの心に強烈な印象を残した。
 最近更新してない柴又名画座でも、久々に再見したときのレポート(#207)をしているが、何しろ自主映画なのでビデオもDVDも存在せず、劇場にかかった時にしか見られない。

 それが今回、「ぴあ」のぴあ・フィルム・フェスティバルが30周年を迎えたということで、京橋のフィルムセンターで上映されるというのだ。
 ぼくはあいにくその情報を知らなかったんだけど、当サイトのゲストブックで匿名の方から教えていただき、読んだ瞬間、ソッコーでファミマへ自転車を飛ばしてチケットを買ってきた。ありがとうございます、ひみつさん!!!
 それにしても、それ以外のラインナップも素晴らしい。
 長崎俊一監督の『ユキがロックを棄てた夏』、森田義光監督の『ライブ・イン茅ヶ崎』、石井聡互監督の『突撃!博多愚連隊』、犬童一心監督の『気分を変えて?』、笹平剛監督の『教訓I』、山川直人監督の『ビハインド』などなど。うわー、全部見てーーーー!!
 これらはいずれも、ぴあ・フィルム・フェスティバルの前身である、ぴあオフシアター・フィルム・フェスティバル'79や、その翌年のぴあ・フィルム・フェスティバル'80で入選した傑作である。
 あのころの自主映画には、劇場映画をも食ってしまうような勢いがあって、作品も作家も出演者も一体となって映画界を動かしているような熱気があった。
 本当ならば、連日通い詰めて、あのころの熱気をもう一度感じたいところなんだけどーーー、仕事を持っている今はそうもいかない。残念残念残念。
 せめて『ORANGING'79』だけは2回見てこよう。
 いずれにしても、今回の上映会は映画を学んでいる若い人が見に行くと、得ることが多いのではないかと思う。この機会にぜひ見てくれたまい!!
 ちなみに、6/27に上映される緒方明監督の『東京白菜関K者』には、ぼくもエキストラとして出演している。群集が白菜男を追いかけるシーンで群集の中にいるハズなんだけど……残念ながらいくら見ても分かりませんデシタ(笑)。

参考リンク
日本インディペンデント映画史シリーズ1 PFF30回記念 ぴあフィルムフェスティバルの軌跡 vol.1

投稿者 黒沢哲哉 : 21:24 | コメント (2) | トラックバック

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2008年6月 7日

別ゴラでひさびさに原作を執筆

 2か月ほど前に、「別冊漫画ゴラク」の編集長K口さんから電話があり、久々にマンガ原作を依頼された。
 その後、小学館クリエイティブのムックの仕事が忙しく、ずっと手が止まっていたのだが、2週間ほど前、副編集長のT橋さんから電話があり、掲載号が決まったので大至急原作をあげて欲しいとのこと。
 うわぁ、これは大変、ということで1週間で前後編2話分の原作を書き上げた。ぼくにしては異例の早さである。
 午後、T橋さんから電話があり、「基本はこれでバッチリです!」とのことで、1発OKとなった。
 あとはこの週末に細部を微調整して週明けに送ればいい。
 当ブログのサブタイトルには「あるマンガ原作家の生活と意見」などとうたってるのに、最近原作の仕事の書き込みが少ないのがアレなので、もっとがんばらないと(汗)。

 でもですね、2日前にはミリオン出版から下記のコミックスも出ましたし、ちゃんと原作の仕事もしてるんですよ、目立たないだけで(爆)。


実録死刑囚の慟哭 (ナックルズコミック)ナックルズGOLDコミックス
実録死刑囚の慟哭

(ミリオン出版)

終戦直後から現在までの死刑囚8名の事件発生から刑の執行までをドキュメンタリータッチで描いた描き下ろしアンソロジーコミックス。黒沢は全8話中7話の原作を執筆。
裁判員制度の導入が迫る中、最近は、死刑の是非に関する議論がたびたび報道されている。本書に掲載された死刑囚の生と死から、今一度、死刑について考えてみるのはいかがだろうか。

投稿者 黒沢哲哉 : 23:55 | コメント (0) | トラックバック

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