TOPページ
新着情報
昭和レトロ
大人のアイテム
特集コラム 最新号
3.荒野の決闘に敗れた日?
2.大阪万博が見た夢の未来
1.雑誌『少年』の時代

倉庫番(スタッフブログです)
最近の書き込み日
2017/07/29

当サイトについて
お問い合わせ

『ぼくらの60〜70年代宝箱』
	詳細を見る
管理人の著書
絶賛発売中です








特集コラム -第2回-
大阪万博が見た夢の未来


4093872481
まぼろし万国博覧会
串間 努
小学館 1998-06
大阪万博の時代に子ども時代を過ごした人たちがそれぞれの思い出の万博を語った証言集。忘れていたあのころが鮮やかによみがえる
4480420789
まぼろし万国博覧会
串間 努
筑摩書房 2005-04
こちらは上記の文庫版


link by G-Tools
 昨年開催された愛知万博=愛・地球博は、果たして今の子どもたちにどんな記憶を残したのだろう……。
 ぼくら昭和世代の人間にとって、1970年に大阪で開催された日本万国博覧会=通称大阪万博は、実に大きな存在だった。
 大阪万博の会場は、タケノコの名産地だったという吹田市の千里丘陵を、百万坪にわたってバッサリと切り開いて造られた。
 愛知万博では、環境保護が理由で予定地が変更になった事で騒ぎになったけど、大阪万博の時には、そんなことは話題にすらならなかった。
 何しろ、あのころ最も重要だったのは、自然でも動物でもなく科学だったのだ。
 科学こそが人間の叡智の結晶であり、人類の明るい未来を切り開くのは科学以外にあり得ない、と誰もが本気で思っていた。
B0008JH79A
公式長編記録映画 日本万国博 DVD
田口助太郎 間宮芳生 石坂浩二
ジェネオン エンタテインメント
2005-05-25
谷口千吉総監督による大阪万博の公式長編記録映画。71年の劇場公開以来、初ソフト化!
B000CQM5MI
公式記録映画 日本万国博 DVD-BOX
日本万国博
ジェネオン エンタテインメント
2006-03-10
上の映画で公開されなかった映像も含めた4枚組みDVDの完璧版!
4478950555
EXPO’70
中和田 ミナミ
ダイヤモンド社 2005-06-17
当時の写真で万博を振り返る大型写真集

link by G-Tools
 当時の少年漫画雑誌には、開催の何ヶ月も前から万博の記事が載っていた。
 巻頭グラビアでは、森の木が切り倒されて更地になり、そこに次第に建てられていく人工的なパビリオンの姿が、まさに文明の象徴として紹介されていた(ちなみに“パビリオン”という言葉も大阪万博で初めて知った)。
 その記事を見て、小学六年生だったぼくは、何だかとんでもない事が始まりそうだという期待感にワクワクと胸をときめかせていた。
 ぼくだけじゃない。ほとんどの国民が、東京オリンピック以来のこの大イベントに酔っていたんだと思う。
 小林信彦のジュヴナイル小説『オヨヨ島の冒険』には、主人公の少女が、悪漢オヨヨ大統領と建設途中の万博会場で派手な鬼ごっこを展開するシーンが生き生きと描かれている。
 また、映画にも万博は登場した。昭和ガメラシリーズ第6作『ガメラ対大魔獣ジャイガー』(70年大映)では、ガメラとジャイガーが建設途中の万博会場で死闘を展開。ロケによる風景の映像は今となっては別の意味で貴重だ。
 山田洋次監督・倍賞千恵子主演の映画『家族』(70年松竹)は、ある家族の日本を縦断する長旅を描いた感動作だが、この作品の中にも万博が登場するシーンがある。家族が大阪を通過する際にちょうど開催中だった万博に立ち寄るのだが、そのあまりの混雑ぶりに気持ちが萎え、入り口で引き返してしまうのだった。
 日本中が万博のお祭りムードに沸く中で、それをあえてシニカルに描いているのがいかにも山田洋次らしい描き方で興味深い。
 そして当然のごとく、巷にはあらゆる万博グッズがあふれ返った。
 タイトル横の写真の人形は、かなり汚れてて恐縮だけど、当時、我が家でサンヨーのカラーテレビを買った時にもらった貯金箱で、リスの着ている洋服は、万博のサンヨー館のホステスの衣装である。
B000I2JQAK
家族 DVD
倍賞千恵子 山田洋次 井川比佐志
松竹
2006-11-22
大混雑の万博会場が家族の絆に大きな影響を与える……

link by G-Tools
 ついでに言うと、当時のサンヨーカラーテレビは、一般的な家庭用サイズだった19インチで19万8千円だった。
 万博のお土産品では、写真のような盾や額、ペン立てや灰皿なんかが定番の品。
 こんなの、今だったらもらってもただジャマになるだけだけど、当時は金持ちの友達の家に遊びに行くと、必ず応接間に誇らしげに飾ってあったものである。
 9月。予想通り、夏休み明けの学校は万博の話題でもちきりとなっていた。
 ぼくが住んでいるのは葛飾柴又という東京の片隅だけど、それでもおよそクラスの半分近くが万博に行っていたのだ。
 そんな中、ぼくはひとり話題に乗れずに孤立していた。
 実は我が家では父だけが万博に行き、ぼくは行かなかったのだ。
 父に誘われたのは確かなのに、なぜ行かなかったのか、その理由は覚えてない。反抗期が始まりかけていたためかも知れない。
 こうして大切に取っておいた品々を手にしながら、今でも時々思う事がある。
「あの夏、もしも万博に行っていたら、ぼくには違う未来が見えていたかも知れない」と。

B000A0H3JQ B00092QWGU B00005QWMA 4041382017
1970年のこんにちは〜追憶のEXPO’70〜 CD
オムニバス
テイチクエンタテインメント
2005-08-24
万博のテーマ曲や当時のCM曲を収録。あのころにタイムスリップできるCD
プロジェクトX 挑戦者たち 大阪万博 史上最大の警備作戦 DVD
田口トモロヲ 国井雅比古 膳場貴子
2005-05-27
前代未聞のイベントを陰で支えた警備員たちの感動物語
ガメラ対ジャイガー DVD
徳間ジャパンコミュニケーションズ
2001-11-28
建設中の万博会場を舞台にガメラとジャイガーが激闘をくりひろげる。建設途中の貴重な会場風景も見られる
オヨヨ島の冒険
小林 信彦
角川書店 1996-11
小林信彦初のジュヴナイル小説。建設途中の万博会場で主人公の少女とオヨヨ大統領が大チェイスを展開

link by G-Tools


TEXT BY 黒沢哲哉
(2005/04「別冊漫画ゴラク」掲載の『別ゴラ万博昭和館』に加筆・訂正)
▲このページのトップへ戻る

深夜倉庫に掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
©2006 深夜倉庫MW