GUNS & ミリタリーおもちゃ箱 第17回
香港“マニアビル”大探検!!

マニアの殿堂本邦初図解!!
 ちょうど1年前、96年1月号で香港の最新おもちゃ事情をレポートした。そしてまた、今年も行ってきました、香港!!
 今や日本のおもちゃ界はテレビゲームばかりが大きな顔をしてて、元気のない駄玩具界にはほとんど期待できない(ガチャポンだけは時どき面白いけど)。おもちゃ買うなら香港へ行けなのだッ!!
 さてそこで今回は、前回のレポートでも簡単に紹介したマニアビル信和中心≠見取り図入りで大紹介することにした。
 信和中心というのは、旺角にあるショッピングビルだ。間口1〜2間ほどの小さなテナントがぎっしり詰まった、香港によくあるスタイルの雑居ビルなのだが、その店のラインナップがすごいのだ。懐かしおもちゃ屋、日本の美少女写真集専門店、切手、テレカ、アイドル生写真専門店、ガレージキットショップなどなどマニアックな店が地下1階から地上4階までおよそ二百軒以上もひしめいている。もちろんミリタリー専門店もある。くわしくは次ページからの見取り図をご覧いただきたい。
 数年前から「地球の歩き方」にも紹介されているので、その筋の人々にとってはかなり有名で、このビルを目当てに香港へやってくる日本人コレクターも多い(ぼくもそうだけど)。
 営業時間は店によってまちまちだけど、ほとんどの店がお昼過ぎに開店して夜の 8〜10時ごろまで営業している。だから勢いこんで朝から乗り込んでも閑散としてるだけなので注意しよう。やはり日本も香港もマニアは夜ふかしなのだ。
 それと香港の祭日にも注意。実は去年ぼくがここを訪れた日は、たまたま中秋節という祭日だったため、テナントの半分以上が早じまいをしていた。さらに開いてる店も、見てるうちにどんどん片付けていくのだ。残念無念。そこで今回はリベンジ・オブ・シノセンターを果たすため、万全の体勢で乗り込んだ!!

見取り図作成難航ついに時間切れ!!
 D−DAYは土曜日。祭日でないことも確認済みだ。上陸時間はほとんどの店が開店しているであろう午後2時。そして7時まで5時間を信和中心の取材にあてた。2時間は見取り図の作成にかかったとしても、3時間はゆっくりとお店を見てまわれる計算だ。う〜ん完璧!!
 そして訪れた信和中心。開いてる開いてる。しかもここの客の中心である香港の中高生たちはまだ学校が終わっていないらしく、人影もまばらだ。まずエスカレーターで4階へ直行し、見取り図の作成に取りかかろう。
 ところが、これが予想外に時間を食うことがわかった。手帳に端から順番に店名をメモっていくのだが、回廊をぐるっと1周して戻ってくると、どうしても辻褄が合わない。店の大きさがまちまちで、店と店が重なっている場所もあるためだ。 やむをえず3時間を過ぎた時点で見取り図の作成を中止した。だから2〜4階はほぼ正確だけど、1階と地下には一部あいまいな点があることを正直に申告いたします。ごめんなさい。けど、全くその言いわけをするわけなんだけど、これらの店はしょっちゅうつぶれては新しいテナントが入るということを繰り返していて、決定版の見取り図作成は不可能なのだ。香港で発行されている日本語の香港情報誌「香港通信」が94年10月号で見取り図を載せているが、その時からもすでに3分の1以上の店が入れ替わっている。
 今回取材した時点で異常に増殖していたのは、パソコンの海賊版CD−ROMを売る店だ。前回来たときも10軒以上はあったが、これほどではなかった。これらの店はどこも店名が出ておらず、前のテナントの看板が残ったままの店もある。
 前回見た、台湾や日本からの正規輸入パソコンソフトを扱っていた店はすでになくなっていた。『バトルオーバー台湾』みたいなシミュレーションソフト、買っとくんだったなぁ。
 あと増えたのはアイドル生写真の店。香港では80年代後半をピークにジャパニーズ・アイドルの人気は下火となってしまったが、今は女子中学生を中心に、香港スターの生写真が大ブームなのだ。
 うれしかったのは、2階の旧ソ連&ロシアのミリタリーグッズショップ莫斯科専門店≠ェ健在だったこと。今回は軍の放出品に加えて、43分の1スケールミニカーのラインナップが充実していた。

マニアビルは他にもあるぞ!!
 今年97年6月30日いっぱいで香港はイギリスから中国に返還される。それが影響してるのかどうかはわからないけど、全体的に物価がかなり上がっていて、信和中心も例外ではなかった。去年60香港ドルで買えたものが今年は80ドルもする。もともとマニアグッズなんて、欲しがる人がいて値段が決まるものだから、人気度によっても、どんどん値は上がる。
 そのため最近は、真のコレクターたちは、有名になってしまった信和中心から、香港島の湾仔道沿いの東方188商場≠ノ移動しているという。実はぼくはまだここを訪れたことはないのだが、ここも信和中心と同様マニアショップが集まった雑居ビルだという。香港は狭いので値段的には信和中心とあまり差はないらしいが、まだ荒されてないだけに掘り出し物が見つかる可能性は高いと聞く。次回訪香のおりにはぜひレポートしたい。
 夜はお約束で、夜店がひしめく女人街を歩き、上の写真のエアーソフトガンを見つけた。最近はこうした駄玩具は中国製がほとんどだが、これらは香港製。中央のグロックには、何とメーカー名は書かれてないのに電話番号だけ刻印されている(笑)。
 ところで香港の街角で得た未確認情報によると、怪しいおもちゃを買うなら下町の文房具屋へ行けという。フェルプスくん、次の任務は返還前に下町探検だ!!

※取材時の交換レートは、HK$114円でした。

参考資料/「香港通信」'94年10月号(パソナプレス刊)


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▼旧ソ連製装甲車のミニカー。つや消しのカーキ色に、ボディ横の赤い星がキラリと映える。実在する車かどうかは不明。勉強不足でごめんッ!! HK$65。

ヘ信和中心は繁華街の目抜き通り沿いにある。1階では食料品などを売ってて、それと知らなければマニアビルには全く見えない。しかし一歩中へ入ると…。

▲1/43スケールの旧ソ連製RVミニカー。ドア、ボンネット、リヤゲートが開閉。ビニールコートされていない紙箱がレトロでオシャレ。

フ戦車の砲弾で作ったという直径約10pのメタルプレート。樹脂製の台座付き。今回一番高い買い物だった。

フ旧ソ連製軍用トラック。これも1/43のオーセンティックスケール。他に3軸10輪車タイプもあった。

▲去年も訪れた旧ソ連&ロシア・ミリタリーグッズの店、莫斯科専門店。時計やカメラも珍品がいっぱいだ。

▲女子中学生はアイドル生写真を買いに、男子学生は美少女フィギュアを買いに。

▲右ページの軍用トラックの軌装車タイプ。HK$85。

▲香港も、かつての海賊版コミックは一掃され、現在はほとんどが版権許諾マーク入り。文化傳信は大手のコミック出版社で、ここはその専門店(直営店?)だ。

▲香港でいまブームなのがアイドル生写真だ。彼らの選ぶ目は真剣でシビア。10年前の原宿以上に盛り上がってる。

▲女人街の夜店で買った香港製コッキング式エアーソフトガン3種。各HK$19(安い!)。それぞれメーカーが違うらしく作りも違う。右のP228が最も完成度が高い。中央のグロックはトリガーに溝があるのにセフティは省略されている。nBB弾も3種類。精度は最低(笑)。

▲W-100型票證鑒別器。紫外線を当てると光る証明書などの真贋をチェックする紫外線灯に懐中電燈付き。中国グッズ店でHK$38で購入。同じく中国グッズ店で購入したスイスアーミーナイフは、ビクトリノックス・クラシックのまんまコピー品。機能もすべて同じだけど、精度はひじょうに悪い(笑)。おみやげ用にたくさん買ってきたので、読者のみなさんにもおすそわけします!!プレゼントページを見てね。