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[  好きなこと - 映画 ]

2011年7月14日

映画『カリーナの林檎 -チェルノブイリの森-』上映決定!!

[コメント (2)]
[ 映画 ]

 ぼくの学生時代からの旧友が監督した1本の映画が、この秋、ようやく公開されることになった。
 タイトルは『カリーナの林檎 -チェルノブイリの森-』

20110714.jpg 『カリーナの林檎 -チェルノブイリの森-』公式サイト
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 この映画は2003年、映画監督の今関あきよしくんが、いまだチェルノブイリ原発事故の爪痕が残るベラルーシで現地ロケを行い、撮影した劇映画である。劇映画というスタイルをとりながらも、原発事故の恐怖を生々しく描いたセミドキュメント作品ともなっており、2004年、『少女カリーナに捧ぐ』というタイトルで一度完成した。だが諸事情から当時は公開は見送られ、以後現在までずっとお蔵入りとなっていたのだ。
 2010年、今関くんたちは、ふたたびこの映画の劇場公開を目指して動き出した。再度、現地チェルノブイリを訪れて追加撮影を行い、タイトルを『カリーナの林檎 -チェルノブイリの森-』と改めた。
 そこに3月11日、東日本大震災が起こった。
 今関くんはすぐに福島へ向い、そこでチェルノブイリを超える惨状を目の当たりにした。下で紹介したプレ予告動画にはその時の模様も生々しく記録されている。
 だが、チェルノブイリを思わせる無人の街福島で、激しい警告音を発する放射線計の音を聞きながら、今関くんも迷ったに違いない。やはり公開は自粛するべきかと。だが、その後も原発事故の影響がジワジワと日本中へ広がり続けてゆく中で、むしろ今こそ公開すべきだという思いを強めていったのだという。
 ぼくも、3ヵ月前だったら「今ではない」と思ったし彼にもそう言ったかも知れない。でも今は一日も早くこの映画を見てみたいと思っている。
 そして数日前、今関くんからぼくにメールが届いた。ようやく今秋、東京六本木での上映が決まったと!
 ということで、ぼくも微力ながら上映までこのブログでフォローアップさせていただこうと思っています。興味のある方は、今後も新たな動きがあるごとに告知していく予定ですので、ぜひご注目ください。

 また、以下に、今関くんがyoutubeにアップロードした予告やドキュメントを引用しました。
youtubeで「カリーナの林檎」で検索していただくと、これと同じ動画がより高画質でご覧いただけます。回線の空いている時間帯(平日昼間とか)はぜひそちらでご覧ください!!

プレ予告

Web予告

現地ドキュメント


今関あきよし(監督)vs三留まゆみ(映画イラストライター)対談

投稿者 黒沢哲哉 : 22:15 | コメント (2) | トラックバック

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2011年6月 3日

柴又名画座:狼少女

[コメント (0)]
[ Movable Type , 映画 ]

 昨夜、Movable Type を5.1にバージョンアップして、いくつか出た不具合はどれも比較的簡単に修正できたんだけど、最後に残ってどうしても直せなかったのが、画像をアップロードできないという問題だった。
 Movable Type から画像をアップロードしようとすると、「Image::Magickをロードできません」というようなエラーが出て先へ進めなくなるのだ。
 このエラーメッセージで検索してみても適切な解決策は得られず、結局、かなり悩んだ末に、ぼくが契約しているレンタルサーバのオンラインマニュアルを隅から隅まで読んでみたところ、最後の最後の備考欄のようなところに、ぼくの契約では「サーバの仕様により「Image::Magick」は利用できません。」という一文があって、そこにやっとこのエラーメッセージの回避方法が記載されていたのを見つけたのだった。あーーー、これだけで2時間近く時間を費やしてしまったぜ。
 この Image::Magick というのは何かというと、アップロードした画像を縮小してサムネイルを作成してくれるというperlスクリプトだそうで、ぼくは画像縮小機能はいらないからそのまま無視してくれていいのに、Mobable Type は融通が利かず、とにかくエラーが出ると、そこでスクリプトが停止して動作がキャンセルされてしまうのだ。
 こういう場合、エラーした部分だけスキップして先へ進んでくれればいいのに......、まるでぼくが15年前に自分でシコシコ書いていたマクロプログラムが動かず、悩んでいたときのようだぜっ!!


 などというお聞き苦しいグチはほどほどにして(って、もう十分書いてますが(笑))、無事に画像もアップロードできるようになったので、超ひさびさに柴又名画座を更新してみました。気がついたら柴又名画座も、なんと2007年から更新していなかったんだー。

 ということで今夜の柴又名画座の上映作品は、1970年代が舞台の少年の日の甘酸っぱい思い出を描いた青春映画『狼少女』(2005年作品)を上映だっ。

ookami_shoujo_title.jpg

 この映画、柴又名画座の本文にも書いたように、いろいろと突っ込みどころは満載なんだけど、それらを超えて、実に後味の良いファンタジックな映画になっている。機会があればぜひ見てみてください。

 ということで、以下、詳細は下記でドゾー!
柴又名画座 トップページ
『狼少女』の紹介ページはこちら

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投稿者 黒沢哲哉 : 15:27 | コメント (0) | トラックバック

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2011年4月21日

MOMENT30周年記念上映会

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[ 映画 ]

 1981年4月に完成して公開された1本の8mmFILM映画がある。題名は『MOMENT』。監督は当時まだ10代の学生だった手塚眞くん。
 この映画の公開からこの4月でちょうど30周年になるということで、渋谷のアップリンク・ファクトリーで上映会とパーティが開催された。この映画にはぼくもスティル写真担当&広報担当&エキストラとして関わっていて、この映画をきっかけにさらに多くの映画仲間との出会いもあったという思い出深い作品である。

20110420a.jpg

 会場に入ると懐かしい面々が勢揃いしていた。中には本当に30年ぶりに再会いした人もいて懐かしかった。そういう人と会うと時の流れを感じるのとすぐにあのころに戻れるのとが同時に襲ってきて不思議な感覚に陥りますね。

20110420b.jpg

「みんな身内みたいなものなんで、堅苦しい挨拶はぬきにして~」という手塚くんのざっくばらんな挨拶のあと、まずは当時の上映会の様子を8mmで撮った記録フィルムが流され、続いていよいよ本編の上映に入る。本編はポニーキャニオンからDVDが発売されているが、今回は8mmフィルムでの上映だ。客席の後ろの方から「ジーーーー」という映写機の音が響いてくる感覚も実に懐かしい。
 そして久々に見た『MOMENT』、30年前の自主映画でしかも手塚くんのアマチュア時代の作品なのに今でも充分に緊張感を持ってみられるのがすごい。

 その後はパーティ会場へ。ここでもいろいろな人と歓談できて楽しかった。気の置けない仲間というのはこういうことを言うんだろうな。
 ひとしきり当時の思い出話で盛り上がった後はお互いの近況を交換する。みんなそれぞれに今の活動も、あのころ以上に輝いているのが素晴らしい。

 ということで、そんな中でトピックをひとつ......。
 まず↓下に紹介したカードは実は大林千茱萸さんからいただいた名刺だ。千茱萸さんは1977年に公開された映画『HOUSE・ハウス』(監督/大林宣彦)の原案者であり、現在は料理研究家として活躍されている。で、なぜここで彼女の名刺を紹介させていただいたかというと、この名刺の絵柄になっている『HOUSE・ハウス』が5月にまた有楽町で公開されるからなのだ。うおお~~~っ!!

20110420c.jpg

『HOUSE・ハウス』といえば、ぼくが映画好きになるきっかけを作った1本であり、当時、この映画にのめりこんだぼくの大学の卒論テーマは「『HOUSE・ハウス』における虚構と誇張の構造」というものだった。当時はビデオなどなかったから、上映会用にフィルムをレンタルしている会社から16mmフィルムを借りてきてそれをビュアーで1コマ1コマカットを数えながら解析コンテを作成。それを元に卒論を書いた。
 その『HOUSE・ハウス』がなぜか去年あたりからにわかにアメリカで注目されて再評価されるという動きがあり、そのブームが今年日本へ逆輸入されたのだ。ということですでに何度か日本でも凱旋イベントが開かれていたのだが、残念ながらぼくは行きそびれていたところ、千茱萸ちゃんからまた公開されるイベントがあると教えてもらったのである。
 公開される劇場はヒューマントラストシネマ有楽町。イベントはGW中から始まって『HOUSE・ハウス』以外にも、大林監督の劇場用映画の初期作品がイベント付きで一挙公開される。5/7には『時をかける少女』が上映され、その日のイベントゲストは原田知世ちゃん!! うおおっ、い、行きたい!! いや、しかしコレは残念ながら仕事で行けないかも。でも『HOUSE・ハウス』は絶対に行くぞっっ!! ちなみにイベント参加料込み前売り券の販売はチケットぴあのみで、発売開始は上映の1週間前くらいからだそうですので、興味のある人はチェック漏れのなきように。
参考リンク:
ヒューマントラストシネマ有楽町
大林宣彦監督特集上映《大林宣彦のいつか見た映画館と》

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投稿者 黒沢哲哉 : 01:43 | コメント (0) | トラックバック

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2009年10月17日

映画『ATOM』を観る

[コメント (2)]
[ マンガ原作 , 映画 ]

 今月前半の仕事のダイジェストと試写会鑑賞など。

10/5
 夕方、電車で新宿へ。今月10日から公開される、フルCGアニメーション映画『ATOM』のワールドプレミア試写会を観る。

20091005.jpg 上映前の舞台挨拶にはプロデューサー、監督、日本語吹き替え版でアトムの声を演じた上戸彩、テンマ博士の声を演じた役所広司、そして手塚眞氏などが出席。さらにシークレットゲストとしてホンダの二足歩行ロボット・アシモもステージに上がり愛嬌を振りまいていた。
 そして肝心の映画は......、まず絵柄だが、当初、やはりアトムの顔が面長なのが気になったが、これはすぐに見慣れた。CGも過剰な立体感や質感の表現を抑えてセル的な印象を持たせていたところが良かったようだ。ということで、ぼくの頭もオープニングから3分の1ほど過ぎたころには、すっかりこのキャラクターを鉄腕アトムと認識していたようである。
 アトムが初めて足からジェットを噴射し、自分の能力に驚きながらも、だんだんと飛び方をマスターしていくあたりの描写などは芸が細かくて実に楽しい。
 そして最も面白かったシーンは、アトムが闘技場でロボットたちと戦う場面だった。こんなシーンは昔の白黒アニメ版『鉄腕アトム』にもよくあった場面で、ロボットたちのデザインがレトロ調なこともあり実に懐かしく感じた。出来れば、昔のアニメのあの電子音による効果音も再現して欲しかったところだけど、まあ昔のアニメの視聴者だけが観客じゃないので、それは仕方ないですね。
 ストーリーは、初期の脚本ではかなりシンプルなものだったらしいが、手塚プロから、ストーリーに深みを持たせたいというリクエストを入れたらしく、努力の跡は見てとれた。ただ、オリジナルキャラクターとして登場する少年少女たちのグループの結末などは、いかにもアメリカ映画的に強引なハッピーエンドに持っていっているあたりが気になった。ストーリーや演出の工夫でもっと深みを出せたのではないかと思うとちょっと惜しかった気がする。
 オリジナルの鉄腕アトムファンにも楽しめる作品だと思うので、機会があればぜひご覧になってください。

10/06
 14:00、電車で神保町へ。喫茶店古瀬戸で「別冊漫画ゴラク」編集のT橋さんと『龍のおんな』第15話プロット打ち合わせ。今回分からコミックス3巻目の部分に入り新展開となるため、全体の流れなどを含めて入念に打ち合わせる。

 16:00、徒歩で小学館へ向かい、児童・学習編集局のF田さんとマンガ原作の企画打ち合わせ。

10/07-09
 昨日見た試写会を踏まえて手塚治虫公式サイトの連載コラム『手塚マンガあの日あの時』第6回の原稿を執筆。今回は前後編の2回に分けて『鉄腕アトム』を取り上げた。
 10/09、公開日直前にようやく前編の決定稿が完成。内容は、原作の『アトム』が初めて描かれた昭和26年当時を振り返るもの。手塚治虫公式サイトで無料公開中なのでぜひごらんください。
 ※下の画像をクリックすると、新しいウインドウでページが開きます。

20091011.jpg

投稿者 黒沢哲哉 : 19:11 | コメント (2) | トラックバック

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2009年2月14日

ひさびさに毎週楽しみなTVドラマ2本

[コメント (3)]
[ 映画 , 本、マンガ ]

 ここ10年ほど、連続テレビドラマというものをほとんどマトモに見たことがなかった。アイドルタレントが主演するドラマにはまったく興味が湧かないし、たまに夏の終戦記念特番とかで面白そうな単発ドラマがあって見たとしても、結局肩透かしをくらうことがほとんどだった。
 かつては山田太一脚本のドラマは欠かさず見てたんですけどねー、ここ最近、山田太一は単発ドラマばかり書いていて、なぜかそれらにもあまり食指が動かず、見逃すことがほとんどだったのだ。
 それが、今、ひさびさに毎週楽しみなドラマができてビデオに録画して欠かさず見ている。それも2本!
20090214a.jpg 1本は山田太一脚本の『ありふれた奇跡』(フジテレビ、毎週木曜夜10時)。現在、第6話まで放送されているが、毎週、思いがけない展開が待っていて目が離せない。
 駅のホームで、中年男性の自殺を止めようとしたことがきっかけで偶然知り合った若い男女。彼ら三人を軸として、それぞれの家族の人生が描かれていく。山田太一は「連続テレビドラマの脚本を書くのはこれが最後」と語っていたそうで、それだけに、山田節の集大成のような物語になっている。全く違う人生を歩んできた人たちが、ある出来事をきっかけにそれぞれの人生に影響を与え、自分もまた変わっていく。
 山田太一というと、『ふぞろいの林檎たち』のようなメジャーコードの作品の方が、一般ウケはいいけれど、実はこうしたマイナーコードの作品にこそ、山田ドラマの真骨頂があるとぼくは思っている。毎回、ドラマチックな展開などまったくないのに、背筋がゾクゾクしてくるくらい画面から目が離せない。ピリッとして耳に残るセリフも多く、2回目に見るときには、メモしながら見ようと思っている。
 役者もそれぞれ適役で、八千草薫や井川比佐志などのベテラン陣はもちろんだが、主人公の母親役のキムラ緑子が自分勝手で家を飛び出したくせに母性を忘れていないという生臭い母親役を好演していて注目。仲間由紀恵も、『トリック』では、ふざけすぎた演技が鼻についてぼく的にはナシだったんだけど、今回は実にしっとりといい演技をしていて、山田脚本の独特のセリフ回しもうまく消化していて大好きになってしまいました。
 それにしても、こうした至高の脚本の職人芸を見せられてしまうと、人間を描くって難しいなぁと思います。


20090214b.jpg そしてもう1本は、ジョージ秋山のマンガを原作とした『銭ゲバ』(日本テレビ、毎週土曜夜9時)。もう30年も前の原作なのに、去年から始まった不況や派遣切りといった現代の状況に恐ろしいくらいマッチしていて、主人公・蒲郡風太郎(松山ケンイチ)のリアリティがものすごい。こちらは現在、4話まで放送されていて、明日の放送で5回目である。
 原作を最後に読んだのは、5年ほど前に復刻版コミックスを買ったときだから、ディティールは忘れてしまっているが、記憶ではかなりアレンジしてある。が、そこがまたうまく現代風のテイストと原作の味をブレンドしていていい感じになっている。
 それと、このドラマには特徴的なところがあって、スポンサーのクレジットが、第1話ではスズキとコカ・コーラの2社が出ていたのが、第2話からはコカ・コーラ1社になってしまったこと。番組中に入るCMの回数も極端に少なく、メインタイトルが出るのはなんと番組が始まって15分以上たってからである。その分、番組の最初と最後にまとめてCMを放送しているのだが、ネットでのウワサによれば、これはスポンサーが、番組内容のダーティーなイメージがかぶるのを嫌って、クレジットを外しているのではないかというのだが......。それが本当かどうかは知らないけど、そんなウワサが真実味を持つほどに内容はかなりエグいものになっている。
 現在、風太郎はようやく大富豪の三國家の次女と結婚の約束を取り付けたところ。原作は、この先、まだまだすごい話になっていくので、いったい現代のテレビでどこまで描けるのか、実に楽しみです。

4334740561岸辺のアルバム (光文社文庫)
光文社 2006-04-12

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4344410289銭ゲバ 上 (幻冬舎文庫 し 20-4)
幻冬舎 2007-10

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投稿者 黒沢哲哉 : 01:11 | コメント (3) | トラックバック

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2008年6月 8日 21:24 生涯に何度見てもいい映画
2006年11月20日 00:11 柴又名画座:Ecole エコール