『ミステリー・サイエンス・シアター3000 宇宙水爆戦の巻』 (1996年 アメリカ作品)

原題/MYSTERY SCIENCE THEATRE 3000 THE MOVIE
監督/ジム・マロン
主演/マイケル・J・ネルソン、トレース・ビューロー、ケビン・マーフィ、ジム・マロン
カラー 74分 ※日本劇場未公開
 地球の軌道上を周回する宇宙船の中…。狂気の科学者・フォレスター博士は、人々にB級映画を見せることによって人類をバカにし、地球を征服しようと企んでいた。その手始めとして、宇宙飛行士のマイクとアシスタントのロボットたちに「史上最低の映画を見せることにした!」そう叫んで博士が映写機にかけたのは、1954年のユニバーサル映画『宇宙水爆戦』(監督/ジョゼフ・ニューマン、主演/フェイス・ドマーグ、レックス・リーズン)であった。
 そして無理矢理シアターに押し込まれたマイクたちだったが、博士の意に反して彼らは映画のシーンににいちいちケチをつけながらも充分に楽しんでしまう。
 アメリカのケーブルTVの人気番組を映画化した作品だということで、全編の8割は、右下の画像のように、シアターで『宇宙水爆戦』を見るマイクたちという構図に終始する。映画が進行する中に容赦ないマイクとロボットたちの痛烈な野次が飛ぶ。
 いやあ、このノリはまさにアメリカだな。あんまりバカ過ぎてちょっと引きかけたけど、それでもそれなりに最後まで見てしまった。そもそも『宇宙水爆戦』という映画は、右の画像にもいるメタルーナミュータントの造形や、メタルーナ星のアートワークなどはなかなか見事で、映画史的にも 1950年代SFの代表作であるわけだけど、ストーリーはジミだし、今となってはテンポものろく冗長だ。そこをバッサバッサと野次で斬り捨てていくのはなかなかサディスティックな快感がある。
 元になったTVシリーズというのも見てみたいものですね。多分、とんでもなくくだらないとは思うけど(笑)。

(1999/07/22)


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