『グラン・プリ』(1966年アメリカ作品)

NO PICTURE
原題/GRAND PRIX
製作/エドワード・ルイス
監督/ジョン・フランケンハイマー
原作・脚本/ロバート・アラン・アーサー
撮影/ライオネル・リンドン
音楽/モーリス・ジャール
主演/ジェームズ・ガーナー、イブ・モンタン、三船敏郎、エバ・マリア・セイント
カラー シネラマサイズ 176分
 ぼくはこの映画をテレビ放送やレンタルビデオで何度も見ているが、劇場で見たことは1度もない。実はそういう有名な映画ってかなり多いんだよね。例えば『ポセイドン・アドベンチャー』とか、大作映画に多いのだ。
 レースシーンの迫力は今でもかなりのもので、車載カメラによる生中継など考えられなかった当時、ドライバーの視点から疾走するサーキットの映像を見せられたのはかなり衝撃的だったに違いない(しかもワイドスクリーン!)。また、当時のサーキット風景も興味深い。例えばモナコは今とほとんど変わっていないとか、イタリアのモンツァには傾斜を持ったバンクコーナーがあったんだ、とか。
 しかし人間ドラマの部分では、どのレーシングドライバーもかなりのおセンチ者で神経が細すぎる気がした。あんな弱気じゃ勝利どころか完走もおぼつかないのでは? また、当時の車は安全性が低く、事故=死というのが常識だったとしても、レースに出る夫や恋人に対して、女性が無神経に「事故は怖くないの?」と聞いたりするのもどうか。結局、F1界を舞台にした恋愛映画を企んだのだろうが、誇り高いF1ドライバーの心理や、それを取り巻く人間たちの心理を描くには詰めが甘かったようだ。
 こんな超大作F1映画、セナ VS プロスト の時代を舞台にして映画化してくれないかなぁ。無理だろうなぁ。

(1999/04/29)


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