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< または日記 の・ようなもの >
2002.11


02/11/29
 夜、車で大泉学園在住のマンガ家里見桂さんのお宅へ行く。以前里見さんに『HAIKARA事件帖』の資料としてお借りしたビデオを、再度「漫画ゴラク」用の資料としてお借りするためだ。マンガ家が自分の仕事のために収集した資料を、別の仕事のために借りるというのは、本来ならかなり気が引けることだけど、気のおけない里見さんだから、そんなことも少しも気にせず鷹揚に貸してくださった。ありがとう里見さん! 今度何か貴重な資料をお貸しします! しかし里見さんは、ちょうど『HAIKARA事件帖』最終回の執筆中で、仕事場にはスタッフも全員揃っており、かなり忙しい様子だった。

02/11/28
 14:00、久々に神保町の古書店を回り、資料本を買い込む。

 15:00、神保町の喫茶店グランブルーで、「漫画ゴラク」編集のK口さんと、昨日送っておいたプロットの打ち合わせ。アイデア、人物設定など、基本的な部分にOKが出て、K口さんの評判もすこぶるよかった。気合いを入れてさっそく第1稿を執筆することになる。

 帰宅後、『マジック・マスター』次回プロット第6稿を執筆。

02/11/27
 午後から「漫画ゴラク」の読み切り用プロットを執筆する。幸い、今週は「少年ガンガン」の『マジック・マスター』の方は動きが少ないので集中できるぞ。

 26:00、完成した漫画ゴラク用プロットを編集部へファックスで送る。

02/11/26
 午後、ちょっとびっくりするニュースが入ってきた。「少年ガンガン」の発行元であるエニックスと、ゲームソフト「ファイナル・ファンタジー」シリーズを出しているスクウェアが合併するというのだ。エニックスの「ドラゴンクエスト」シリーズとスクウェアの「ファイナルファンタジー」シリーズは、ゲームファンならずとも知っているゲーム界の2強である。この2社が合併するとなれば、確かにセンセーショナルなニュースではあるのだが……。ということで、いくつかの新聞社や通信社のサイトから、その記事内容を要約してみると……。
ドラクエのエニックスとFFのスクウェアが来春合併
 ゲームソフト大手のエニックスとスクウェアは、11月26日に開催されたそれぞれの取締役会で、来年4月1日に合併する事になったと発表した。
 合併後の社名は「スクウェア・エニックス」を予定。スクウェアの株式1株に対して、エニックスの株式0.81株を割り当て、エニックスを存続会社としてスクウェアは解散する。
 新会社の社長には現スクウェア社長和田洋一が就任。会長には、福嶋康博エニックス会長、副社長には、本多圭司エニックス社長が就任、3者とも代表権をもつ。また、鈴木尚スクウェア会長、千田幸信エニックス取締役が非常勤取締役に、スクウェアの社外取締役の成毛真インスパイア社長(マイクロソフト前社長)も取締役に就く。
 ソフトの開発体制は、スクウェアが完全内製型であるのに対し、エニックスは外製型と全く異なる体制で行なわれている。
 しかし和田社長は記者会見で「どう融合させるかは今後検討するが、現状の開発体制は当面そのままでいく」と語り、さらに「両者とも開発者の比率が高いことから、合併にともなう人員削減などは実行せず、稼働率向上、扱える素材、商材の増加などの効果で、利益率を高くできる」と述べている。
 今回の合併の背景には、ゲーム機の高機能化やオンラインゲームへの対応による開発費の増大、需要の多様化による収益の悪化がある。そうした中でコンテンツ製作能力を結集し経営基盤を強化することで、生き残りを計るのが合併の狙いだという。
 上記のニュースの要約にも書いてあるように、当面は現体制を維持するとのことだけど、我が『マジック・マスター』を連載中の「少年ガンガン」は今後どうなるのか、ちょっぴり気がかりではありますね。しかし本当に合併するんだろうか。セガ・バンダイの例もあるし……。

02/11/25
 ちょっと外出している間に、先日神保町でお会いした日本文芸社「漫画ゴラク」編集部のK口さんから留守電が入っていた。何かと思って折り返し電話をしてみると、先日ぼくが話したいくつかの案の中のひとつが、編集部で評判がいいので、さっそく来年1月発売の号で24ページの読み切りとして掲載したい。ついてはマンガ家にもすでに声をかけてあって了承をもらっているというのだ。

 まだプロットもできてないうちから、あまりにも話が早いのでびっくりだけど、もちろん大変ありがたい話でもあるので、スケジュールも考えずに引き受けることにした。

 午後、さっそく構成を練る。読み切りとはいえ、好評ならいずれは連載を狙いたいところだ。今回は特にキャラ立ての作業は念入りにおこなった。キャラを立てるというのは、たぶんマンガ業界の用語で、キャラクターの人物像をいかに存在感ある魅力的な人物に仕立てるかという、人間像の彫り込み作業のことである。

02/11/24
 11:00起床。昨日のリベンジを果たすべく、再度車でワーナー・マイカル・シネマズへ向かう。チケット売り場は今日もかなり混雑していたが、1回待ちで15:50の回のチケットをゲットすることができた。しかし最前列の端っこの方である。まあ仕方ないだろう。ということで、本日の柴又名画座は珍しく最新映画を上映。『ハリー・ポッターと秘密の石』を上映だっ!! comment and picture

02/11/23
 午後、知り合いの子どもにせがまれて、今日封切の映画『ハリー・ポッターと秘密の部屋』を見るために、車でいつものワーナー・マイカル・シネマズ市川妙典へ向かった。ところが映画館へ着いてみると、まだ3時前だというのに、もう最終上映の分までチケットは完売していたのである。すごい人気である。呆れてあきらめて帰宅する。

02/11/22
 15:00、電車で新宿へ。おとといと同じ西口の喫茶室ルノアールで仕事をしながらN川さんからの連絡を待つ。

 18:40、N川さんから携帯に電話が入り、待ち合わせ場所へ。いつもの談話室滝沢で『マジック・マスター』次回シナリオ第7稿打ち合わせを行なう。どうやらあと1回のディティール修正で決定稿になりそうだ。

02/11/21
『マジック・マスター』次回シナリオ第7稿を執筆。

02/11/20
 15:00、神保町の喫茶店グランブルーで、日本文芸社編集のK口氏とお会いする。K口氏とは今日が初対面。『HAIKARA事件帖』の連載が終了するという話をマンガ家の里見桂さんから聞き、一度会いたいという話をいただいたのだ。このような新しい出会いは大歓迎である。ということで、ホームページのビブリオグラフィをプリントアウトしたものと最近の著書をお見せして自己紹介をした。そして「近々、何かプロットを考えて持ってきます」 という約束をして店を後にする。

 その後、久々に神保町の書店を何軒か歩いたが、目ぼしい収穫はなく、すぐに次の打ち合わせのために新宿へ向かった。

 17:30、新宿西口着。新しく出たdocomoのカメラ付き携帯P504iSが気になっていたので、ヨドバシカメラで在庫を尋ねてみたら、今、品切れで次回入荷も未定だという。ふう〜品切れでよかった……もし売ってたら買っていたかもしれない(笑)。ヨドバシカメラ前の喫茶室ルノアールへ入って、仕事をしながら「少年ガンガン」編集のN川さんからの連絡を待つことにした。

 18:00過ぎ、N川さんから携帯に電話があり、前の打ち合わせが終わったという。すぐに店を出て待ち合わせ場所へ行き、N川さんと共に談話室滝沢へ入って、『マジック・マスター』次回シナリオ第6稿打ち合わせをする。今回もかなり稿を重ねたが、ようやく完成が近づいてきた。

02/11/19
 7:00、寝る前に、愛車パジェロのボディのポリマーシーラント加工のメンテナンスをお願いするため、車を近所のガソリンスタンドへ預けに行く。メンテナンスは半年に1度必要なんだけど、前回は担当者が変わってしまい、ぼくのことを完全に忘れられていて寂しい思いをしたのだが、今回はきちんと覚えていてくれたので話も早かった。

 13:00、起床。『マジック・マスター』次回シナリオ第6稿を執筆する。

02/11/18
 15:00、護国寺の某出版社で、編集のW辺さんと新企画の原作第2稿打ち合わせ。基本路線はW辺さんのOKが出て、後はディティールの補強をしていくことになった。

02/11/17
 9:00、朝食後、温泉につかり、チェックアウトした後、ロビーで昨日仕上げたシナリオを柳田さんに渡し、監修を受ける。マジックシーンに関しては、今回も事前の打ち合わせがしっかりしていたため、ほとんど問題はなかった。後はストーリーの煮詰めである。

 15:00、帰宅後、眠くてたまらず仮眠。

 21:00、ようやく起き出して夕食を取った後、護国寺の某出版社用の原作第2稿を執筆。深夜、完成したシナリオをファックスで編集部へ送る。

02/11/16
 10:00、小田急新宿駅で「少年ガンガン」編集のN川さんと待ち合わせ。新宿駅発の小田急ロマンスカーで箱根へ向かう。昨日から箱根でウイザードイン恒例のマジシャン合宿が行なわれていて、ぼくとN川さんは1泊で取材に向かうのだ。
 しかし折りしも紅葉シーズン真っ盛り。箱根へ向かう列車は紅葉狩りのおじちゃんやおばちゃんやお姉ちゃんで満席。禁煙席どころか隣り合わせの席も取れずに、ぼくとN川さんは離れ離れの喫煙席で箱根へと向かった。
 いつもなら車内で『マジック・マスター』の打ち合わせが始まるところだが、今回はひとりなので、ノートパソコンを取り出して、護国寺の某出版社で打ち合わせが途中となっている原作の続きを執筆する。実はこっちの仕事も週明けには打ち合わせが控えているため、のんびりはしていられないのだ。

 12:30、ロマンスカーから登山バスを乗り継いで、箱根桃源台の芦ノ湖畔にあるホテル箱根アカデミーに到着。食事を済ませて午後のマジック授業を1時間だけ受講して、後は夕食までホテルのロビーでN川さんと『マジック・マスター』次回シナリオ第4稿の打ち合わせを行なう。

 夜、合宿参加者たちの酒盛りが始まったが、ぼくはひとり部屋へ戻って、先ほどの打ち合わせを元に『マジック・マスター』次回シナリオ第5稿を執筆。
 夜、N川さんが「始まりましたよ」と呼びにきた。実は今日午後8時から放送される「USOジャパン」というTBS系の番組に、先日のアメリカ取材に参加し、今回のこの合宿にも参加している少年マジシャンの伊東広樹君が「天才少年マジシャン」として出演しているのだ。マジックのコーナーはおよそ15分ほど。全員が大部屋に集まってワイワイと感想をのべながら楽しく拝見した。なかなか楽しめるコーナーになっていたので、こうしてマジックがどんどん盛り上がっていくといいですね

 番組を見た後、ぼくはまた部屋へ戻ってシナリオの続きを執筆。23:00過ぎ、ようやくシナリオが書き上がったので、ファックスでホテルのロビーへ送り、コピーしてもらおうと思ったら、何とロビーには午後10:00までしか人がいないのだという。がーん、人件費削減も極まってますね。

 ということで、本日の仕事はこれまで! みんなが集まっている大部屋へ行き、柳田さん自慢のトミーの玩具ロボットR2-D2と少し遊んだり(遊ばれたり)して楽しんだ後、早々に休ませてもらった。

02/11/15
『マジック・マスター』次回シナリオ第4稿を執筆。

 夜、完成したシナリオを、ファックスでN川さん宅へ送る。明日からまた箱根でウイザードイン恒例のマジシャン合宿があり、それにぼくとN川さんも取材で参加する予定なので、何とかその前に間に合わせたかったので、何とか目的を果たせてホッとした。

02/11/13
 今日は夕方から「少年ガンガン」編集のN川さんと打ち合わせの予定だ。間もなく外出の用意を……などと思いながら、編集部へ電話をしてみると、都合で打ち合わせを夜にして欲しいという。それはかまわないんだけど、夜に打ち合わせをするとなると、車で行かなければならない。それもかまわないんだけど、実は先日からヘッドライトのバルブが片方切れたままになっているのだ。

 16:00、急きょ、車でいつものオートバックス新小岩店へ行き、バルブを購入することにした。普通の純正タイプのH4バルブなら税別で1個1280円ほど。2倍長持ちタイプのバルブだと1個税別1980円。しかし、ふと反対側の棚を見ると、前から気になっていた高効率バルブがズラリと並んでいる。高効率バルブというのは、純正のハロゲンバルブと交換するだけで、2倍近い明るさが得られるというバルブの事である。ランプメーカー各社からそれこそ何十種類も発売されているんだけど、中でもトレンドはH.I.D.(ディスチャージ)ランプに近い5000K゜前後の色温度を出す、ブルーホワイト系のランプだ。
 テスト照射のできる見本ランプがあったので試しに点灯して見ると、この人気のブルー系ランプは、本当に色が青い。青すぎる。ちょっとそれはぼくの趣味には合わないので(笑)、なるべくホワイト系のものを探し、スタンレー製ランプRAYBRIC ホワイトサンダーS(5,680円税別)をチョイスすることにした。これは、バルブ表面にわずかにブルーのコーティングがされているものの、点灯すればほとんど白色光となる。
 しかしそんなこんなで選択に迷っている間に日が落ちて暗くなり出した。オートバックスの駐車場でバルブ交換しちゃおうと思っていたのだが、それも無理になってきたので、近所のコイン洗車場へ移動。そこで交換をすることにした。
 と、そこでふと考えてみると、ぼくは最初、ただ切れたバルブを(もちろん片方)買って交換するだけのつもりだったのに、いつ高校率バルブを買うことに決めたのだ? ということに思い至った。ハッ、これぞ衝動買い! しまった!!

 まあいいや。買ってしまったものは仕方ない。とにかく取り付けよう。バルブ交換はすでに何度もやってるから手順的には問題ないんだけど、問題は我がL型パジェロは、ヘッドランプの裏側に手が入るスペースがほとんどなく、バルブ交換がえらく面倒なことである。
 本来、ハロゲンヘッドランプのバルブ交換は、ほとんどの場合、ランプハウジング全体を取り外さなくても、エンジンルーム内から手を入れてランプの裏側からバルブだけを外して交換できるんだけど、L型パジェロの場合、右のランプの後ろにはエアクリーナーのダクトがあり、左のランプの後ろにはヘッドランプウオッシャー液のタンクがデーンと居座っているのだ。しかし左はかろうじて手が入ったからそのまま交換ができたが、右はウインカー、ヘッドランプベゼル、ヘッドランプを全て外さなければ交換できない。

 17:30、ということで、作業時間およそ20分で交換完了。点灯してみると、これは明るい!! 特に前方よりも左右の照射部分の明るさが際立った感じで、路肩が分かりやすく暗く狭い道などで効果的だ。こんなに変わるのならもっと早くに交換しておくんだった。最近のチューニングの中ではヒットでありました。ただ、本当は本物のH.I.D.ランプが欲しいんだけどねー。まだ安いものでも7〜8万円となるとちょっと二の足を踏んでしまいますね。

 23:00、車で西新宿のエニックス編集部へ行き、電話でN川さんを呼び出す。車でいつもの梅里のジョナサンへ移動。『マジック・マスター』次回シナリオ第3稿の打ち合わせをする。この打ち合わせでようやくストーリーの全体像が固まってきた。

02/11/12
『マジック・マスター』次回シナリオ第3稿を執筆。

02/11/11
 18:00、新宿西口の談話室滝沢で、「少年ガンガン」編集のN川さんと、『マジック・マスター』次回シナリオ第2稿について打ち合わせ。まだマジックシーンの展開とキャラクターについて詳細が固まっていないため、プロットのような粗いシナリオである。

02/11/10
 午後、近所に住む知り合いのお嬢さんが七五三だということで、晴れ着を着て我が家へ挨拶にやってきた。ついこないだまで赤ちゃんだと思っていたのに子どもの成長は早いものですね。7年前なんていったらぼくにとってはつい先日みたいなものなのに、その子どもにとってはそれがこれまでの人生の全てなんですからね。何となく不思議。

 とか考えつつ、午後から『マジック・マスター』次回シナリオ第2稿を執筆する。

 夕飯は、七五三のご祝儀のお返しにいただいたお赤飯でした。

02/11/05
 17:00、渋谷着。これからウイザードインで打ち合わせがあるのだが、ビックカメラで買い物があって少し早めに出てきたので、マクドナルドで時間をつぶすことにした。入ったのは、東急ハンズの駐車場の並びにあるマクドナルド渋谷ハンズ前店だ。いつも前は通っているけど入ったことはなかったこの店、この混雑する通りに面していながら「必ず座れます」という看板が出ているのが気になっていた。
 ぼくはカウンターでてりやきバーガーのセットを買って、エレベーターで禁煙席「ご家族向けの席です」 と書かれていた4階席へ上がってみると……禁煙フロアのはずが、エレベーターの扉が開くと、いきなりモワーッと喉にからみついてくるものすごいタバコの煙!! そしてエントロピーの法則に従って(?)フロア全体にほぼ均等に散らばって座る男女高校生の群れ!! 全ての席にきちんと座れば半分くらいしか席は占めないくらいの人数なのに、ほとんどが隣の席にカバンを置き、うしろのボックス席の連中と背中合わせで話し合ったり、他から椅子を引っぱってきてたりするから、椅子を持っていかれたテーブルには椅子がポツンと1つしか残されていなくて誰も座れなくなっていたり……。しかも制服でタバコプカプカもフツー。吸いがらも灰も足元へポイの、恐るべき無法地帯となっていたのだ。まー、マックの2階席が不作法な高校生に占領されているのはどこでも珍しいことじゃないんだけどねー。これはあまりにもひどいです。そういえば渋谷でマックにはあまり入ったことがなかったけど、もしかして渋谷では他のマックもそうなのか?

 18:00、ウイザードイン事務所で、ウイザードイン代表の柳田昌宏氏、ティーアイ東京社員でプロマジシャンの林敏明氏、編集のN川さんと合流し、東武ホテル地下のバーで『マジック・マスター』次回シナリオ第1稿打ち合わせ。ここで今回の話に使うマジックのネタはだいたい決まったのだが、それをストーリーとからめてどう展開していくか、それはぼくとN川さんとで詰めていかなければならない。

 20:00、柳田さん、林さんと別れ、N川さんとふたりでセンター街の喫茶室ルノアールへ移動。おおまかなストーリーの流れについて細部を確認し合う。

02/11/09
『マジック・マスター』次回シナリオ第1稿を執筆。

02/11/02
 15:30、渋谷ハチ公前で、ワセダミステリクラブ時代の同期で現在は神保町の某大手出版社で女性誌の編集をやっているI沢くんと待ち合わせ。今日は渋谷のライブハウス・シアターDで、ウイザードインが主催する恒例のマジックライブがあるのだ。
 ぼくは、毎回いろんな友人を誘って見に来ているが、今回は、ずっとごぶさたしているI沢くんを誘うことにした。I沢くんとはこれが2年ぶりくらいの再会だが、その2年前の再会の時も、やはり2年ぶりくらいの再会だった。実はミステリクラブ時代の仲間とは、こうした遠からず近からずのつきあいを続けている友人が何人かいる。学生時代からの友人っていうのは、何年も会っていなくても、会えばすぐに昔のつきあいに戻れるところがいいですよね。
 16:15、予定より少し遅れてライブが始まる。今回のライブは、現在アメリカに在住して仕事をされている緒川集人さんや、他の仕事でほぼカンヅメ状態だという秋元正さんなど、ベテランマジシャンが欠席だったため、若手中心のライブとなっていた。その若手の中でも、特に目をひいたのは、先日のアメリカ取材にも同行していた若干19歳の少年マジシャン・富村三志郎くんである。小さなステージをいっぱいに使った大きな演技は、緒川集人さんを髣髴とさせるもので、今後に大いに期待が持てるものだった。がんばれ、明日のホープ!

 18:30、ライブが終わり、I沢くんと一緒に同じビルの2階にあるのエチオピア料理の店で食事を取りながら、旧交を暖め合うと共に久々の近況交換をする。I沢くんは、以前はSF・ミステリの老舗出版社H書房から単行本を出したこともあるSF作家だったが、最近は本業の編集の仕事に専念していて、執筆活動の方は全くやっていないらしい。彼にそのことについて尋ねると、今は小説より音楽の方に興味があるのだという。『人間至る所青山あり』と言いますが、人生はいろんな寄り道がありますね。ぼく自身にしても、子どもの頃はロボット博士になるのが夢だったり、中学の一時期は「収入が安定しているから」(笑) という理由で銀行マンになろうと思ったり、高校時代は写真家を志したり、大学時代は映画監督を目指したり、でもって今はマンガ原作を書いている……と(笑)。
 しかし、I沢くんの小説はぼくも何冊か読ませてもらったが、独特の感性を持っていてとても面白かったので、まだまだ書き続けていればさらなるブレイクの可能性もあったので、残念ではありますね。


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