『新 Mr.BOO! 鉄板焼』 (1984年 香港作品)

原題/鉄板焼 TEPPANYAKI
製作総指揮/レイモンド・チョウ
製作・監督・脚本/マイケル・ホイ(許冠文)
撮影/ラリー・シュウ
音楽/クリス・バビダ
出演/マイケル・ホイ、サリー・イップ(葉倩文)、フランシス・イップ、ロー・ホイパン
カラー ビスタビジョンサイズ 90分
 1979年ごろ、広東語でしゃべる香港のコメディ映画が、唐突に日本で公開された。ホイ3兄弟が主演する映画『Mr.BOO! ミスター・ブー』(1976年 ※本国ではホイ3兄弟主演の第3作目)であった。
 それまでブルース・リーの映画や、カンフー映画など香港映画はいくつも公開されていたが、みな英語吹き替え版だったので、初めて聞く広東語のコメディには、かなり驚かされた。しかも面白い。
 ということで、その後、ホイ3兄弟の映画は、『Mr.BOO! インベーダー作戦』(1978年 ※シリーズ第4作目)、『Mr.BOO! ギャンブル大将』(1976年 シリーズ第1作目)と続けて公開され、日本でも香港直輸入の映画がいろいろと公開されるようになったのである。
 ということでこの『鉄板焼』。これは3兄弟の長男(だと思った)マイケル・ホイが単独でプロデュースした作品である。
 鉄板焼きレストランへ婿養子に入ったマイケルが、女房と父親の厳しい監視にもめげずにレストランを抜けだしては女性をひたすらナンパしまくるというストーリー。
 マイケルの女性を追うバイタリティはあきれるほどで、骨折をしても、女性がディスコへ行くと聞けば、2階から雨樋を伝ってベッドを抜けだして、片足で大フィーバーの踊りを見せる。
 見どころはその片足大フィーバーのシーンと、フライパンでテニスをやるシーンですね。こういう小道具の効果的な使い方は、ジャッキー・チェンもそうだけど、香港映画はとにかくウマイです。
 15年前のコメディながらさほど古臭さは感じなかったが、中に『ジョーズ』や『レイダース』のパロディがあったのはさすがに時代がわかってしまいますね。
 チーブな作りながら、小技の利いたギャグが盛りだくさんで、大爆笑とはいかないが、クスクス笑いが絶えず続くといった感じの楽しい映画なのだった。
 ところで、この主人公マイケルのちょっと野暮だけど、やるときゃヤルって感じは、以前柴又名画座でも上映した『オースティン・パワーズ』(1997年)の主人公のキャラクターにそっくり。マイク・マイヤーズの発想の原点は、ひょっとして香港コメディにあったのか?



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