『次郎長三国志・第五部 殴込み甲州路』 (1953年東宝作品)

原作/村上元三
監督/マキノ雅弘
脚本/松浦健郎
主演/小堀明男、廣沢虎造、森繁久弥、久慈あさみ、若山セツ子
白黒 78分
 東宝の「次郎長三国志」シリーズ第5作。前半は次郎長一家のそれぞれの恋愛事情がホームドラマ風にほのぼのと語られるが、片思いの者は失恋し、それぞれの思いに決着をつけたあと、後半は一転してハードなチャンバラシーンになる。
 前作までは次郎長一家側が本当に命が危なくなるようなシーンはあまりなく、殺陣もスタイリッシュなもので、刀を振うシーンも一種のファンタジーとして描かれていた。けれどもこの5作目では、人の殺し合いが、まさに真剣勝負の迫力で描かれているのだ。
 ラストシーンも次作へ続く余韻を残して終わるし、実はここからが「三国志」と銘打ったこの作品の本領となるのだろう。

(1999/06/14)


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