『ミミ』 (1996年 フランス作品)

原題/LA BOUCHE DE JEAN-PIERRE
製作・監督・脚本/ルシール・アザリロヴィック
出演/サンドラ・サマルティー、デニス・スクロプファー
カラー ビスタビジョンサイズ 51分
 恋人に振られたシングルマザーの母親が自殺未遂を起こして病院へ入ってしまったため、12歳の娘・ミミは、叔母の家へ一時的に預けられることになる。
 しかし、その叔母の家にも恋人の男性が出入りしており、ミミは孤立し、そこで大人社会のエゴや醜さを垣間見てしまう。
 以前、柴又名画座で上映した、同じフランス映画『フランスの想い出』と、基本的な話の骨格が似ているが、トーンはまるで違う。
 ミミの見た大人の世界はかなり汚なく、子供にとっては実に居心地の悪い世界なのだ。
 いや、実際にはミミの見た大人の世界は、それほど醜い世界とは言えないのかもしれない。大人にとってはごく日常的な世界かも知れないのだ。ところが、そこに12歳の少女を放り込み、彼女の目線を通して見ると「大人って…」という印象が際立ってくる。そういう意味では一種の実験映画とも言えるだろう。
 ファッションデザイナーのアニエスb.が製作協力をしている。

(1999/12/01)


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