南千住の汐入というところは、隅田川が大きく湾曲した内側の部分に位置しているため、幹線道路から外れていて、ほんの数年前まで昭和30年代の下町の風景が残っていた場所だったのだ。ぼくにとってはまさに「いつか見た風景」がここにあったのだ。
 しかしすでにそのころから再開発計画は始まっていて、どんどん家が立ち退きはじめ、今では巨大なマンション街ができつつある。ということで、ちょっと懐かしい家の前にバイクをとめて撮影してみた。路地を入ると、この写真のような古い家もわずかに残ってるんだけど、途中途中に金網で囲まれた空き地があるのが、地上げの傷跡みたいで痛々しい。
 しかしそんなことを言ってる間にこれらの家もやがてなくなってしまうのだろう。ある行き止まりでは取り壊し中の家もあったし。写真におさめておくべきかなぁ。

(QV-10Aで撮影)



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