何かのイベントにでも使用した段ボールなのだろうか、他にも3軒ほど同じようにペイントされた段ボールハウスがあったが、中でもこれが一番イカしていた。
 この段ボールハウスが建ち並ぶ奇妙な風景、社会のひずみが産み出しているものとはいえ、不思議と懐かしく嫌いな風景ではない。

 実はぼくが原作を書いた 『マイティ・マッキー』のクライマックスは、この新宿西口の段ボールハウスに隠れ住んでいた科学者(仲間からは"レゲエ博士"と呼ばれている)を探し出し、メモリがイカれたマッキーに記憶を再インストールしてもらうというシナリオだった。
 巨大企業のハイテク戦争に圧しつぶされた古風な科学者が、世捨て人となって暮らすには、ここは最適の場所だと思ったんだよね。今後もまだこの段ボールハウスが存続するなら、今度こそ、何かの作品に舞台として使いたいですね。

(QV-10Aで撮影)



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