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オススメ香港本型録

 エラそうに星取表を付けてみました(笑)。しかしこれは採点表ではなく読後感をで表現したものです。基本的には、ここに紹介した本はどれも外れはないと思いますので、興味を持たれたらぜひ読んでみてください。
 しかし、最近は香港本もたくさん出てますが「これは!」という本は少ないですね。

★★★★★=必読!!★★★★=文句なし!★★★=かなり!★★=ふむふむ=あーねぇ…

※いちおう出版社などのデータも付記しましたが、絶版のものもあるかもしれません。また、消費税の計算など面倒なので、定価は購入当時のものを税込みで記入しました。


香港電脳オタクマーケット
クーロン黒沢 著

 私とは別人のクーロン黒沢という人が書いた本。この人は最近、台湾や香港などアジアのディープでネガティブでドロドロした部分について(特に電脳方面を中心として)記事を書きまくっている人。プロフィールによれば1971年生まれだそうだ。まだ若いのに…。
 この本も、違法コピーゲームソフトを売っている場所をくまなく(!)紹介したりとヤバヤバな内容であるが、文章が軽くてアッケラカン(死語)としているのであまり危険な印象は感じない。

徳間文庫 1996/11/15初版発行 540円(当時) ★★★


別冊宝島Wonderland Traveller 6
香港発熱読本

 下の『香港(秘)読本』と同じ体裁のA5判ムックだが、こちらはちょっとディープな観光ガイドやショッピングガイドとしても役立つ内容で、より実用的だ。旅行前に読んで「この油麻地という街を歩いてみよう」なんて計画を練ったり、帰国後に「あの沙田という郊外の街は、ただ通過しただけだったけど面白そう」なんて感じでさまざまに楽しめる。

宝島社 1996/01/08初版発行 1200円(当時) ★★★


別冊宝島EX
香港(秘)読本

 オリジナルな雑学記事満載で、ガイドブックにない香港を知るにはいい本。しかし各項目がマニアックな割にジャンルが広すぎて、旅行の実用書でもなく、香港文化を一つの視点から掘り下げるでもなく、やや散漫に過ぎているのが惜しい。この本の著者たちが面白がっている香港を理解するには、一通りガイドブックを読んで香港へ行って、ある程度リピーターにならないとだめかも。

宝島社 1994/08/06初版発行 1250円(当時) ★★


深夜特急1
−香港・マカオ−
沢木耕太郎 著

 沢木耕太郎のルポルタージュは物語のような臨場感があるのがいい。この本は沢木氏が20代の時に、香港をスタートしてヨーロッパまで旅行したときの記録。この1巻には当時の香港やマカオの空気が見事に描かれている。大小というギャンブルの緊張感や、安宿として有名な重慶マンションの雰囲気など貴重な時代の記録でもある。香港へ行く前に読んで、帰国してからも読むべしなのだ。
 因みに本書は1986年5月に新潮社から出版されたハードカバーを文庫化したもの。1巻が気に入ったら、ぜひ最終巻まで読んで、沢木氏と共にヨーロッパを目指していただきたい。

新潮文庫 1994/03/25初版発行 400円(当時) ★★★★★


City of Darkness
Life in Kowloon Walled City
by Greg Girard & Ian Lambot

 いまは完全に取り壊されて公園になっているあの九龍城砦の写真集。イギリスの出版社から出されたもの。NIFTY-Serve のアジアフォーラムで話題になっていたのを読んで、ぼくも香港の書店で入手した。
"魔窟潜入!"などというイメージの写真集ではなく、九龍城砦の歴史から、生活している人々の素顔まで、たんねんに取材・撮影した本だ。ぼくが買ったときは、すでにSecond Printing だった。

1993 Watermark Publications(UK)Limited HK$295.00 ★★★★


香港読本
日本ペンクラブ 編、山口文憲 選

 藤原新也、平岡正明、アグネス・チャンなど各界の12人が香港について書いた文章をあちこちから集めてきて1冊にまとめた本。末常卓郎という元ジャーナリストが従軍記者として香港攻略戦の模様を描いた文章が興味深い。184ページほどの薄い本なので食い足りないが、いろいろな時代の香港の顔がいろいろな人の言葉で見えてくる。

福武書店 福武文庫 1989/01/10初版発行 490円(当時) ★★★


香港世界
山口文憲 著

 香港へ行く前に読んだのが山口氏の『香港旅の雑学ノート』で、帰国して読んだのが本書。若い女性でも夜の外出着としてパジャマを愛用しているとか、幻の猫の形の陶器製枕を探す話や、ここには生きて生活している香港が描かれている。

筑摩書房 ちくま文庫 1986/12/01初版発行 420円(当時) ★★★★


香港旅の雑学ノート
山口文憲 著

 観光ガイドブック以外に香港について書かれた本がまるでなかったころ、素顔の香港を知るほとんど唯一の本がこれ。今では珍しくなってしまった香港風俗が筆者の暖かい目でイキイキと描かれている。この本でまだ見ぬ香港の風景や空気を思い描きながらぼくは初めての香港へ旅立った。当時はちょっと下町へ行けばこの本のとおりの風景がまだあったのだが、今でもまだ変わってないだろうか。久々に本書を再読してみると、ぜひ再訪してみたくなってくる。

新潮文庫 1985/08/25初版発行 400円(当時) ★★★★★


香港市民生活見聞
島尾伸三 著

 ジミな表紙ながらカラー写真満載の本。しかも掲載されてる写真は今では貴重な風景ばかり。そりゃあ10数年も前に出版された本なのだから、撮影時期はそれ以前なのは当たり前だけど、1枚1枚の写真を見ていると、しみじみ香港も変わっているんだな、と実感する1冊である。

新潮文庫 1984/12/20初版発行 520円(当時) ★★★★


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